もも こころの診療所

主な対象疾患 > 統合失調症

統合失調症

 統合失調症は、急性期には、幻聴や妄想といった陽性症状を認め、慢性期には、他人とのコミュニケーションが困難となって自分の世界に閉じこもってしまう・考えることが困難になる・感情の変化が乏しくなるといった陰性症状が出現する精神障害です。

 急性期の陽性症状は、一見派手ではありますが薬物療法で改善することが多く、むしろ慢性期の陰性症状こそが患者さんや周囲の人々を苦しめるものとなります。しかしながら早期に発見し治療をしていくことで、急性期の陽性症状だけではなく、慢性期の陰性症状もかなりの程度改善させ予防することが可能になってきています。統合失調症は未だ原因が解明されていないとは言え、脳の機能的な異常が原因であるとされており、その意味では心の病気というよりも「カラダの病気」と言うべきでしょう。

 当院での治療の特色は、多剤併用・大量処方を決して行わず、最新の治療を行っていくということに尽きます。私は慢性的に入院をしている患者さんや、急激に悪化して救急対応を要するような患者さんを精神科病院にて治療してきましたが、重症の統合失調症をお持ちの方でも、多くの方でただ一種類の薬剤を一日一回服用するだけで十分治療が可能であると考えています。最終的には一日一錠だけ飲めばよいというようにすることすら可能であると思っています。

 統合失調症をお持ちの方は、生涯服薬を続ける必要があると言われていますが、だからこそ、普段の生活に支障のないような飲みやすい処方を心がけるようにしています。