境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害に対しては、今現在の問題行動に対し積極的に切り込んで具体的な援助をしていくということも重要ですが、それと同じように、なぜそのような“パーソナリティ”となったのかという「歴史」にしっかりと目を向けていくことも極めて重要です。今現在の患者さんの問題を、その人の属性である“パーソナリティ”に押し込めてしまうのではなく、幼少時以来続く虐待や不適切な養育環境といった「周囲の重要人物との相互作用」に由来したものとして捉え、多面的な援助を行っていきます。このことは「精神療法」(PCサイト)の項目でも述べておりますので、ご参照下さい。
また、回避性パーソナリティ障害については、社交不安障害の重症型と捉えることが可能です。「不安障害」の項目で述べたように、「カラダの病気」としての側面があるため、積極的に抗うつ薬による治療を行っていく一方、認知行動療法、アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT=「アクト」)、対人関係療法といった治療理論に基づいて援助を行っていきます。