心的外傷(トラウマ)といっても、暴力やレイプ・痴漢の被害といった最近受けた一度きりの事件に由来するものから(=単純性PTSD)、幼少時からの継続的な虐待やいじめといった慢性的な状況に由来するもの(=複雑性PTSD)まで様々であり、それぞれ対処が異なってきます。幼少時以来の慢性的なトラウマが関連しているものとしては、境界性パーソナリティ障害・自己愛性パーソナリティ障害・解離性障害(重症型は解離性同一性障害=多重人格と呼ばれます)・薬物依存・自傷行為などがあります。これらは根っこにトラウマという共通した核を持っていますが、それぞれの症状や問題行動に対してはそれらに応じた個別の援助が必要となってきます。
当院では、皆さんの有する心的外傷に対し、それがどのようなものであったとしてもしっかりと受け止め援助をしていくことをお約束します。慢性的なトラウマに対する当院の考え方については、「精神療法」(PCサイト)の項目で少し触れていますので、ご参照下さい。また当院カウンセラーの有園正俊は、PTSDに対する持続エクスポージャー療法(prolonged exposure,PE)と呼ばれる非常に効果的な治療技法を実践しています。